えんえんせい肺炎はいえんのリスク
高橋先生

東京国際クリニック 院長・循環器科 
高橋先生

誤えん性肺炎とは?

自身の唾液を飲み込んだ場合、通常は食道に落ちます。しかしご高齢の方の場合は気管に落ちてしまい、これを「誤えん」といいます。さらに気管からそのまま肺に落ちてしまって肺炎になるケースを誤えん性肺炎(ごえんせいはいえん)といいます。

その肺に入った唾液の中に口腔内の歯周病菌が含まれていることがあります。

誤えん性肺炎が悪化してしまうと、酸素が十分に肺に入らなくなります。歯周病菌が血中に入ってしまうと、免疫が落ちている高齢者の場合は敗血症につながるリスクがあります。

高齢者に、誤えん性肺炎が多い背景とは

若くて健常な方は、嚥下機能(えんげきのう)がきちんと働きますし、咳反射がありますから、歯周病菌が気管に入ることを防止できます。

食道と気管は隣接していますが、気管に誤って食べ物等が入らないように、ふたのようなものがついています。そのふたが正しく機能すれば問題ないんですね。

そのふたの機能は嚥下機能と深い関係がありますが、高齢になるとどちらの機能も衰えてしまいます。唾液の飲み込みもうまくいかなくなってしまうんです。

高齢者の口腔ケアに訪問看護を利用しましょう

誤えん性肺炎を予防するには、絶えずお口の中を清潔に保つことが大切です。
しかしご高齢の方は、介護を受けているケースが多いですね。自力で十分なブラッシングができないことも珍しくありません。
ご家族の方や介護スタッフの方がブラッシングを代わりにやってあげられるならば、ぜひ助けてあげてください。

現在の訪問看護師が受ける訓練内容には、口腔ケアがきちんと含まれています。チャンスがあれば、訪問看護のサービスを使っていただくのは良いアイデアです(あるいは、歯科の訪問サービスでもいいですね)。

誤えん性肺炎が悪化してしまうと、酸素が十分に肺に入らなくなります。歯周病菌が血中に入ってしまうと、免疫が落ちている高齢者の場合は敗血症につながるリスクがあります。