歯科医院で、こんな体験をした覚えはありませんか?
以下のような対応や対処を続ける歯科医院にはご注意下さい。
歯科医院の対応に納得できないことが多い
歯周病治療でわからないことや不安に感じてることがあるなら、遠慮せずどんどん聞いてみましょう。治療の説明を怠っていたり、質問に対する回答が曖昧だったりと医院の対応に納得できないことが続く場合は、我慢せずに歯科医院の変更を検討しましょう。
- 口の中の状態
- 治療の流れ
- 治療方法
- 治療に用いる機材
- 期間や費用
- どんなメンテナンスを予定しているのか
治療に使う機材の斬新さをやたらに強調する
超音波スケーラーやレーザーのような機材のその名前や目新しさばかりをPRして、歯周病治療にどのような技術で効果を発揮するのか説明がない、また機材に対する医院の症例経験や実績を話さない説明には注意しましょう。
確かに効果的な機材ですが、使うと必ず完治するわけではありません。「なぜその機材を使うのか?」「どのような目的で使うのか?」など、機材に関する効果と目的をしっかりと確認しましょう。
歯周病を飲み薬に頼って治すことをすすめる
最近は、飲み薬を用いて菌を駆除する歯周内科と呼ばれる治療も登場していますが、歯周病の治療と予防は、あくまでもブラッシングと歯垢を除去する治療が基本的であり、主流です。
抗生剤等の効果が完全に否定されているわけではありませんが、飲み薬を中心にした治療法にはまだ医学的な裏付けがありません。ブラッシング指導や歯石を除去する治療が、歯科医院でも行われている基本的な治療方法です。
歯周病予防に力を入れていない
歯周病の再発を防ぐには、ブラッシングの指導まで含めたメンテナンスが不可欠です。
治療がひと段落した後に、歯の状態を保ち、再発を防ぐための経過チェックやブラッシングのアドバイスをどれくらいやってくれるのか、担当医や歯科衛生士にしっかりと確認しておきましょう。
日本歯周病学会、日本臨床歯周病学会(JSCP)の認定資格を持つ歯科衛生士が在籍している事もクリニックが予防やメンテナンスに力を入れていることの一つの指標になると思います。
抜歯やインプラント手術を執拗に推薦してくる
現代の歯科医療は、患者の歯を温存する方向で動いています。歯周病の治療においてもその原則は変わりません。
もちろん、診断の結果「抜歯したほうがよい」「インプラントを行ったほうがよい」という結論になるケースはあります。しかし、いきなり抜歯・インプラントをすすめてくる場合は、「なぜ温存が難しいのか」その理由を事前に確認しましょう。
現在、インプラント手術をした箇所から歯周病が進行する「インプラント周囲炎」が問題化しています。安易にインプラントをすすめてくる場合は、歯周病の治療がおろそかになってしまう可能性があります。
- 治療前にオーラルチェック(口腔内検査)をしましょう
- インプラント周囲炎に関する見識を備えた専門医の診断を検討しましょう
治療期間が、極端に短い
十分な治療には、どうしてもある程度の期間が必要です。メンテナンス等の期間を含めると1年を超えることも珍しくありません。
急ピッチで診療を終わらせようとする歯科医院は、患者数や収益を増やすことを優先し、治療後のメンテナンスを行わないことあります。
※治療期間が短く、治療後のメンテナンスの話が担当医や歯科衛生士から無いまま治療が続く場合は、すぐに確認しましょう。
清水 智幸(しみず ともゆき)
東京国際クリニック/歯科 院長
歯学博士。日本歯科大学を卒業後、奥羽大学・スウェーデン王立イエテボリ大学に所属して世界基準の歯周病学を研究する。経験した歯周病・歯周外科の症例は10000以上。現在は歯周病治療に日々励むほか、インプラントの歯周病トラブル(インプラント歯周炎)治療に取り組み、世界No.1インプラントメーカー ストローマン社の講師として後進の育成や予防歯科の啓発にも力を入れている。